2021年 セレックが最新システム、セレックプライムスキャンシステムに置き換わりました。
セレックとは
CADCAMシステムの1種類で、セラミック治療システムの1つです。
通常形成された歯を、直接、ないしは型どりした模型をカメラでスキャニングしコンピューターに3D画像データーとして取り込み、歯の設計を行い、さらにミリングマシンを使ってセラミックブロックからセラミックの歯を削り出します。
現在当院で取り扱いのセレック用セラミックブロック
1.シロナブロック(焼成なし)(院内製作)
2. e-max ブロック (院内製作)
3. sirona ステラブロック(院内製作)<ジルコニアの強度に迫る新しいブロックです>
4.ジルコニア (シロナコネクトシステムでラボにて製作)ブリッジで主に使用
平成20年よりシロナ社セレック3Dシステムを導入し、その後平成24年からはセレックオムニカムシステムにバージョンアップを行いました。
さらに令和2年 セレックプライムスキャンシステムに更新。
結果、より精密なセラミック治療が行えるようになりました。
技工所を通さずにセラミック治療を行えることからオールセラミック治療としては比較的安価に提供を行うことができます。
一日で形成からセラミックのセットまで行えるワンデイ治療もありますが、通常は2回に分けて行っております。近年ではセラミックブロックの種類も増え一部のブリッジに対してもこの機械でセラミック治療を行えるようになりました。
現在、当院のセラミック治療の保証期間は使用ブロックにより異なりますが、最高で装着後5年までの作り直し、あるいは部分修理にて保証対応をしております。なお、保証に際しては当院規定がございますので、装着後にお渡しする保証規定をご参照下さい。
セラミックはすぐ壊れる?
セラミックというとすぐ割れるというイメージが強いのか、皆さんから「割れませんか?」とのご質問をよく受けます。
確かに金属冠に比べると機械的強度が弱いのは当たり前です。
そうかと言ってそんなにしょっちゅう割れるものでもありません。
当院ではセレックシステムを開始して、最初の2年間が術後トラブルが一番多かったのが事実です。(大体当時で3%)トラブルの内容は一部破折、脱離の事例でした。セラミック治療の場合には、治療の上で細かいチェックポイントがいくつもあります。それらをきちんとクリアしないとトラブルのもとになります。
現在セレックシステムを6年間経験してみて、こだわらなくてはいけないポイントというのがはっきりしてきました。術者の熟練度ももちろん関係ありますが、その他にもセラミックが適当な症例かどうか、形成の仕方、そして接着の仕方は相当大事なポイントです。
現在では殆どトラブルもなくなってきましたが、それでもゼロではありません。年に1〜2例程度小さなトラブルは発生します。しかし6年経過して症例も相当数増えたにも関わらず、トラブル発生はやり始めの頃より極めて少ない結果になっています。
セラミックブロック選択の見直し、接着剤選択の再検討、接着手順の見直し、形成作業の見直し等、あらゆる点で少しずつ進化させてきていることも記載しておきます。
好きなセラミック治療ですが、なかなか神経を使うところが多く、精神的には大変な仕事です。セラミックが割れた!という急患連絡が入りますと、入れて何年目かな?とか本当にセラミックが割れたんだろうか?とか色々気になってしまいます。
セレック利用のセラミックの歯の作り方
セレック治療を行うのに2種類の治療の流れ(方法)があります。
1つ目の方法はその場で口腔内でスキャナーカメラで撮影してコンピューターに取り込んで制作する方法。2つ目の方法は通常通り、型取りをして出来上がった石膏模型をあとでスキャナーカメラで撮影しコンピュータに取り込む方法。
症例によっては型取りしたほうが患者様の負担が少ないこともあります。またその逆もあります。どちらを選択するかはその時の症例によって決めていきます。